HSPでもそうでなくても、怒りに苦しんでいるあなたへ
キャリアのご相談としてお話を伺ううち、話題が、「怒り」に移ることがあります。
HSPというと、ことばのイメージとして、心優しい人と見られることも、個人的にはありますが、
実際は、喜怒哀楽すべての感情を強く感じています。
「人には優しくあるべきだから、怒ってはいけない」とか
「怒らなさそうに見られて、人間関係では都合よく扱われてしまう」方は、
HSPに限らず、怒りにふりまわされているのかもしれません。
怒りは、人間なら持つ大切な感情。
バクハツすると、恐ろしいような力がでてしまいますが、じょうずにつきあうと、実は、対人関係で重要な役割を果たしてくれます。
怒りで悩んでいるのは私だけだとおもってませんか?
「怒ることはよくないから、怒りは他人にむけてはならない」とひたすら怒りを抑えていませんか?
そしたら、怒りとのつきあいかたを見直してほしいなあとおもいます。
もちろん、怒りを他人に向けるのはよくありませんが、時と場合による、と私は考えています。
怒りとの向き合い方がよくわからなかったり、ひたすらガマンだけしていると、ストレスとなり、肩こりや胃痛など、体に現れますし、
体調を崩したら、働けなくなることだってありますよね。
怒りとのつきあい方で悩んでいる人は、仕事の相談からもよく伺う話です。
怒りで悩む人に共通する思い
怒りで悩む人には、共通する思いがあります。
それは、「怒りはいけないものだ」というとらえかた。
怒りを出したら人を傷つけてしまうから、いけないものだ、ととらえることは、間違ってはいません。
しかし、怒りそのものを否定することとは区別しましょう。
怒りは出してよい
怒りは、人間なら誰にでもある感情です。
怒りは、いやなことをされるとこみあがってきますよね。
いやなこと、とは、自分の心や体が受け付けたくないこと、と考えてみてください。
心や体が受け付けたくないことを、あなたは、受け付けたいですか?
「受け付けたくなんて、ないですよ!でも、それを相手にそのまま言うことなんて、できないんです!」
という声が聞こえてきそうですね。
「そのまま言う」必要は、ないのです。
ですが、「適切に」伝える必要は、あります。
これは、あなたが自分で自分を守るために必要なことでもあります。
怒りには度合いがある
怒りを伝えるには、大きなポイントがあるのです。
それは、怒りの度合いをちゃんと認識すること、です。
怒りって、こんな感じにレベルがありますよね?ちょっと思い出してみてくださいね。
レベル1:「ん?」
レベル2:「もおおおおお!」
レベル3:「やめて!」
レベル4:(バクハツ、またはバクハツをおさえて殻に閉じこもる)
怒りをレベル分けして感じるようにしてみましょう。
実はレベル1も怒りだし、レベル4も怒り。度合いの違い、感じられたでしょうか?
どのレベルかを感じ取ることが、怒りとうまくつきあう第一歩です。
認識したことを伝える
怒りとつきあう次の段階は、相手に伝えることです。
怒りは自分を守るサイン、つまり、してほしくないことをされた証拠。
してほしくないことは、伝えないと伝わらないのです。
レベル1なら、レベル1の状態をことばにしてみましょう。
「あれ?なんかちょっとおかしい気がする。」
といった具合です。
怒りは、大きくなりすぎる前にできるだけ小出しで
怒りを恐れている人は、レベル4の怒りを人にぶつけてしまい、相手を傷つけるのでは?と自分のことを恐れているでしょう。
しかし、怒りはいきなりレベル4にはならないのです。
レベル1がずっと続いているけど、「ささいなことだから・・・」と遠慮しますよね?
そのうち、自分の中でレベルが大きくなります。
そしてレベル4にまでなると、体から怒りがはみ出そうで、扱いきれない感覚にみまわれます。
レベル4になる前に、できるだけ小出しにすることが、自分にとっても、そして相手にとっても、健全なコミュニケーションなのです。
まとめ:怒りとの付き合い方
怒りは、自分を守るための大切な感情。
感受性を活かすとは、美しいものを表現するだけでなく、あらゆる種類の感情を察知し、その度合いを把握しつつ、度合いに見合った表現をすることでもあるのです。
怒りを相手に伝えることは、相手を傷つけることとはかぎりません。
あなたが、「これ以上はダメ」、と限界を示すことは、社会で人々が暮らすなかで必要なことなのです。
相手にも、あなたと同じように、限界があります。互いに、自分ができる範囲を共有するひとつの手段として、怒りを表現する、ととらえてみてくださいね。
もちろん、表現の仕方には配慮しましょう。
怒りのレベルに応じた表現を、少しずつ、ためしていきましょう。
この記事が、少しでも多くの、怒りに悩める方の希望となりますよう。