HSPの就活リアル:苦しみから見えた「距離感」~周りに呑まれて辛い時~
HSPの大学生の方の、就活の相談にのっていたところ、「内定がでました」と嬉しいお便りをもらいました!
学生の就活って、まだ2年生なのに、もう、社会に出る準備を始めなくてはならないんですよね。
学生から社会人へ変わるのは、HSPでなくとも不安になるものです。
就活に悩むHSPの学生さん、新卒で入った会社や組織になじめず悩んでいる社会人HSPさんにむけて、この学生の方のご経験をシェアさせてくださいね。
HSPの大学生A子さんの就活の悩み
ご相談を受けたのは、大学生のA子さん。
学生生活と、社会人生活に違いがあるんだろうなあ、とわかってはいるが、どうしたらいいかわからない・・・と話していました。
働くってどういうことだろう?と疑問がうかぶけど、答えが見えない。
働くことのイメージが持てない、と相談中何度かもらしていました。
HSP専門キャリアコンサルタントの見立て
真剣に悩んでいるA子さんに伝えた私のアドバイスを、シェアしますね。
働くことにイメージを持てないことはダメなの?
話を聞くと、たしかに、A子さんは、働くことにイメージを持てないでいました。
では、働くことにイメージを持てないのは、ダメなのでしょうか?
そして、イメージを持てないから就活にエンジンがかからないとしたら、甘えなのでしょうか?
答えは、決してダメでも甘えでもない!です。
HSPは「イメージできる」がだいじ
HSPは、あらゆるインプットや刺激を、神経総動員して感じ取りますよね。
大量のインプットを処理し、何らかの答えが出るとスッキリします。
何かを見聞きして「イメージを持つ」ことも、インプットに対する答え。
答えがでるまでは、処理が続いてしまいます。
処理が続くことそのものが、ストレスや悩みを引き起こします。
HSPにとっては、イメージ(=答え)がでるとストレスから解放される(=腑におちる)ことなのです。
就活をストレスなく進めるために、イメージを持ちたいのです。
HSPが就活の時もちたいイメージ
私は、自分が新卒で社会人になったころから、リクルーターをしていました。その経験が、今のキャリアコンサルタントの仕事にもつながっています。
リクルーターのころ感じたのは「学生から社会人になる橋渡しの必要性」。
今HSPの仕事の相談を受けていて、HSPにとって「社会人になる橋渡し」はとても重要だと断言します。
社会人になる橋渡しとは、学生が、働くことや社会人になることへのイメージを持つサポートをすることです。
「働く」とか「社会人」のイメージを持つには?
では実際に、私がアドバイスした「橋渡し」をご紹介しますね。
「働く」とか「社会人」に対してイメージが持てないのは、ズバリ、やったことがないから。
となると、どうしたらよいか、わかってきますよね。
そう。ちょっとだけやってみたり、やったことのある人から話を聞くなどして、働くとか社会人に触れてみるのです。
どうやって触れてみるのがよいのか、は人それぞれ。
インターン・バイト・OBOG訪問・ネットや本でリサーチ・・・
自分ができるところから、やってみることです。
そう。自分ができるところ、から。
A子さん、内定が出た!
A子さんとはその後もう一度話をする機会を経て、半年ちょっとしたころです。
嬉しいお便りがとどきました!
みさき じゅり様
お久しぶりです。以前「働くとはどういうことか分からない」と相談しオンラインセッションしていただいたA子です。
現在、おかげさまで第一志望を含め2社から内定をいただき、順調に二年目の就活を進められています。今回はそのご報告と御礼を申し上げたくご連絡差し上げました。
あのとき思いきってみさきさんに相談しに行き、お話を聞いていただけなかったら、今の私は存在していないと思います。その後、みさきさんの著本も購入して拝読しましたが、おそらく今後も大変お世話になる本だと思いました。大事にします。
今電車の中で、踏ん張ってよかったなあ相談してよかったなあと思って正直ものすごく泣きそうなのですが、なんとか堪えてメールを打っています。
この度はお力を貸していただき本当にありがとうございました。
以下はずっとうまく言葉にまとまらなくてこれまで申し上げられなかったことなのですが、相談に乗っていただいたみさきさんにはお伝えしておきたいと思い、長くなりますが良かったらお読みいただければ幸いです。(自分語で書いてるので伝わらなかったらすみません、、)
私の去年の就活でどうしても動けずに戸惑うばかりだった経緯は「仕事がどういうことが分からない」以外にもう一つあると考えておりまして、「理想の自分と実際の自分の乖離を埋められない・周りのペースに引きずられる」というものでした。
私はずっと自己肯定感が低く、こうなりたい、こういう風に変わりたいという像が強烈にあり、そのために今の大学の学部に入り本当に全力でそれに向かって努力していました。でも結局分かったのは自分は自分の考えている理想にはなれないということでした。ただそれまでのその努力は本当に自分の財産になっていますし、学生時代にここまで真剣に向き合っていなかったらたぶんこれからも諦めがつかなかっただろうなと思います。
ですが大学の友人(私の元々の理想の人間タイプです)のそばにいると、やはり自然体の自分の発想や考えではなく、彼らの振る舞い、行動に吸引される(?)というか、どうしても無理をしてしまう自分がいて、就活も結局彼らのスタンダードを剥がせないまま頭と心がねじれたような状態で進んでいき、それが本当に本当に苦しかったと今なら言えます。
だから就活を一旦やめることを決め、大学を休学して実家に戻り、大学の友人らと距離をとると、自分の元々のペースを取り戻していくのをはっきり感じました。
友人たちのことは大好きで尊敬していますし、自分がやっと前に進めたので、また会いたいと思っています。ただ適切な距離は取れるように意識したいと思います。
HSPの自分が嫌になることも未だに時々ありますが、
私は私らしくあることで誰かの救いになっていられたらいいなあと思います。
またみさきさんにお世話になることがあるかもしれませんが、その時はまた宜しくお願い致します。ご報告は以上にさせていただきます。本当にありがとうございました!
※A子さんに掲載許可をいただいています
HSPの就活が苦しい本当の原因
私は、A子さんからのメッセージをもらって、すぐに、「HSPの方々にシェアしたい」と強く思いました。
A子さんは、一見、就活で悩んでいたようにみえますが、実は、原因はもう少し深いところにあったからです。
真の原因にたどりつくには、時間や手間がかかることがあります。
就活や転職、適職の悩みも、一見「仕事の悩み」に見えますが、9割近くは別のところに本当の原因があります。
A子さんのご相談は、本当の原因をご自分で見つけたケース。
だから、たくさんのHSPの方に知ってもらいたいのです。
就活が苦しいのはイメージが持てないから?
すでに書いた通り、私は、キャリアコンサルタントとして、「仕事や社会人になる橋渡しのヒント」を伝えました。
ここでちょーっと、思い出してほしいんです。
心の中だけで、このブログを読んでいるあなたの本音を思い出してほしいんです。
「インターン・バイト・OBOG訪問・ネットや本でリサーチ・・・」
→ 何言ってんの!?これ、さんざんやってきたよ???
→ やったけど、わからないって思ってるんだけど、それがおかしいの???
→ なんやかんや言って、みんなと同じやり方やるしかないって言ってるだけじゃん???
「仕事や社会人になる橋渡しのヒント」が、”表面的なアドバイス”に感じませんでしたか?
そう、そこが大きなヒント!
表面的なアドバイスは、まちがってはいないんです。
アドバイスを使いこなすときの、私たちの状態こそ、HSPが気を付けるべきポイントなのです。
A子さんが何年かかかってたどりついたのは、この、状態の部分、だったんですね!
HSPが就活に行き詰まった時の、「本当の」対策3つ
では、A子さんのように、就活で行き詰まった時に、HSPならではの「本当の」対策をまとめますね。
1. 周りと距離をとる
A子さんのように、理想的な人に囲まれて、自分のペースや考えが見えづらくなるHSPはたくさんいます。
HSPとしては、周りの影響を受けずに暮らすことはできません。
だからといって、そんな自分をダメ出しするのではなく、周りに引きずられてると気づいたら、距離をとってみることです。
A子さんは、休学という大きな選択をしました。これはHSPにとって必要なダウンタイムともいえますね。
2. 自分の気持ちに従い、策を練る
自分の空間に身をおくと、自分の気持ちがよみがえってきます。
自分の気持ちを、どうやって実現するのか・・・
HSPのもつリサーチ力や洞察力を駆使して、あらゆる策を練りましょう!
3. すべては「仮決め」「練習」と考えて、行動を続ける
HSPは行動面でつまづくと、一気にトーンダウンする傾向があります。
おすすめなのは、すべて「仮決め」「練習」と位置付けること。
就活は、生きているうちに何度か経験します。
一度でパーフェクトを狙わなくて、いいんですよ。
練習して、失敗しても、やり直す機会は、あるのです。
やり直す時に支えてくれるのは、あなたのキャリア・ストーリーです。
キャリア・ストーリーって何?
HSPに合う仕事や働き方は?
仕事って何?をはっきりさせたい・・・
と思ったら、こちらの無料メール講座をお役立てくださいね。
HSPの仕事選び(サラリーマンでなくても通じる話です)の4つのポイントを明らかにしておこう!
エージェントに相談する前に、まず自分がどうしたいかを整理する本です。
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ここまで書きましたが、どうしてもひとりでは大変なときは、まずは、学校のキャリアセンターに相談をしましょう。
「キャリアセンターでも相談した、だけどどうしてもHSPをわかってくれるキャリアコンサルタントに、一度は意見をもらいたい」
そう感じたら、まずはご相談内容をおしらせくださいね。お応えできる範囲でお返事をお送りしています。
※継続的な面談が必要な場合は、大変恐縮ですが、おためしセッションをご案内しております。
※相談項目の「就活(学生)」をチェックしてお送りください。